はじめに
家族旅行や親子旅行は、多くのメリットがあります。
家族とのきずなが生まれ、旅育とも言われる学びが得られます。また、子どもが成長してからも、良い想い出になります。
ここでは、まず、私自身の子ども時代の家族旅行を振り返ります。次に、子育て中の家族旅行、そして、子どもたちが大きくなってからの親子旅行の想い出について紹介します。
子どもたちが成長すると、家族そろっての旅行は難しくなります。
行ける時に、家族旅行の想い出をたくさん作るメリットは、計り知れませんよ。
私の子ども時代の貴重な想い出
子どもの頃の家族旅行
私の子どもの頃、家族旅行と言えば、父方の祖母と母方の祖母のところに行くことでした。
両祖父は、私が生まれてまもなく他界しており、記憶には、ほとんど残っていません。
父方の祖母のところには、毎年、夏休みに、必ず訪れていたのを覚えています。
冬に行った覚えはありません。祖母ひとり、お正月は、どうしていたのでしょうか。
母方の祖母のところには、母と妹と私の3人で、何年かに1度行きました。片道4時間以上もかかる列車の旅行でした。
父の実家での夏休み
父の実家は、当時、かやぶき屋根の古民家でした。
いろりでお味噌汁を温め、かまどで炊いたご飯でした。
お風呂も、五右衛門風呂と言って、薪をくべて風呂釜のお湯をわかすものでした。
田んぼが広がり、家から少し歩くと、小川にたどり着きました。
いとこたちが集まる
夏休みには、父のきょうだいの家族が集まることもありました。
ちょうど、私や妹と同じ年頃の子どもたちもいて、一緒に過ごしたことを覚えています。
海水浴、焚き火、探検
朝、夏休みの宿題を終えて、みんなで海水浴に出かけたりもしました。
焚き火をして、お芋を焼いたり、近くの小川まで探検ごっこをしたりしました。
自然に囲まれた中で、思いっきり自由に、時間を忘れて遊びました。
お手伝い
毎日のお手伝いは、雑巾がけでした。広い居間があり、古民家特有の無垢木材の床で、長年、拭き掃除で手入れしたとあって、天然のツヤが見事だったのを、子ども心にも記憶しています。
子どもたち全員で一列に並んで、1、2の3で、タッ、タッ、タッ、タッと一斉に雑巾がけの往復です。
食事づくり
食事づくりは、祖母と母たち(嫁たち)の仕事でした。
今では、目にすることも珍しいかまどやいろりがありました。
私は、かまどで炊いた、おこげご飯が大好きでした。
いろりを囲んで食事する光景も、今では時代劇で見るくらいですよね。
母方の実家
母方の実家は、市の中心地からは遠いところにありましたが、小さな街の中でした。
近所の人たちとの交流
祖母は、茶道を教えたり、三味線を教えたりしていたので、いつも人の出入りがありました。
社交的で、近所付き合いもあり、下宿人もおいていたので、80歳過ぎても、元気なシャキシャキばあちゃんというイメージでした。
いつも、お漬け物をおやつ代わりに、お茶飲み会をしていました。
私と妹は、よく、私や妹の相手をしてくれたお姉さんたち姉妹がいて、仲良くしていました。
たまに、餃子屋に連れて行ってくれたり、だんこを買ってくれたりしました。
今でもだんごやをやっている人はいるでしょうか。
いろいろな種類の串だんごをリヤカーに乗せて、売り歩いていたのです。手作りの、特別においしいだんごでした。
お手伝い
祖母の家の中は、はっきり言って、ごちゃごちゃ。人の出入りも多く、祖母自体も外に出かけることが多かったので、お掃除する暇もなかったのでしょう。
母と一緒に、部屋の大掃除が、旅行の第一日目でした。母がお掃除好きになったのも、納得できる気がします。
祖母のところを離れるときは、電車の駅まで見送りに来てくれました。
私は、大好きなおばあちゃんと別れたくなくて、ワンワン大泣きしました。
小さい頃は、そのシーンをよく夢で見ました。
旅行の想い出は心に残るもの
こうして思い出してみると、ホテルや旅館に泊まる家族旅行と言えるような贅沢はありませんでした。
デパートの屋上にあった遊園地で遊んだ後、レストランで、旗のついたお子様ランチを食べたことぐらいが、記憶に残るイベントです。
それでも、両親の実家で過ごしたことは、子ども時代の良い想い出として、私の記憶に刻まれています。一生の宝物として残っていくでしょう。
子育て中の家族旅行は、想い出づくりと旅育
子育て時代の家族旅行経験
子育て時代には、週末や連休、夏休み、冬休みと、子どもたちの学校や、私たち夫婦の勤務の合間をぬって、家族旅行をしました。
家族一緒に行動することって、子どもの成長に伴って、だんだん減って行くんですよね。
子育てに夢中になっていたときは、家族旅行に行きたくても行けなくなるときが来るなんて、思ってもいませんでした。
妹家族宅での宿泊
1番身近な旅行は、妹家族宅に遊びに行って、1泊することでした。
妹には、娘と年の近い姉妹がいて、3人で仲良くしていました。
たまに、2家族集まっての食事は、いぎやかでとても楽しいものでした。
その頃、娘はひとりっ子だったので、たまに、姉妹と娘を連れて、国立青少年自然の家の宿泊施設に泊まって、B.B.Q.をしたり、野外活動に参加したりしました。
自然の中での活動や、二段ベッドが備えられた部屋は、子どもたちにとって、新しい経験そのものでした。
国内-海外旅行
3~5日程度の国内旅行は、交通機関とホテルがパッケージになっており、往復日以外自由というツアーを利用しました。
北海道、沖縄、大阪、東京ディズニーランドといった定番です。
1泊2日の温泉旅行には、車でよく出かけました。
温泉は、赤ちゃんの頃は、私が子どもたちを連れて入りましたが、そのうち、夫と息子、私と娘が分かれて入るようになり、さらに成長してからは、個別に入るようになりました。
それも、母を連れて行けなくなってからは、温泉旅行自体、遠のいていきました。
なぜ、子育て中、家族旅行に行くのか
子育ての時期、小さい子どもたちを連れ、旅行に出かけるって、なかなか大変ですよね。
家族全員で行くと、かなりの出費もあります。せっかくの休みにもかかわらず、大変な思いをし、お金をかけてまで、なぜ、家族旅行を選択するのでしょう?
家族旅行に関するアンケート調査結果
下記のグラフは、ある会社が、子育て中の母親145人を対象に行った、家族旅行についてのアンケート調査結果です。
『家族旅行に行きたい』と答えた数が断然多く、『行きたくない』と答えたのはわずかでした。
また、国内旅行は『行く予定にしている』割合が多く、海外旅行には、『できれば行きたい』という割合が多くなりました。
家族旅行の目的は、『想い出づくり』が最も多く、『子どもを楽しませたい』、『子どもに新しい経験をさせたい』というのが、次に多い結果となりました。
家族旅行は、子どものために行くという親の思いがわかります。
苦痛に感じることとして、荷物が多いことや、移動の手間、お子さんがカラダの不調を訴えることなどが多く挙げられました。
家族旅行のメリット
家族旅行のメリットとしては、想い出づくりや、楽しさだけではなく、日常の生活とは異なる場所に行くことによって、視野を広げ、新しい体験をもたらすことがあります。
また、家族が活動を共にすることによって、家族としてのつながりも深まります。
「旅育」に注目
家族旅行が、学びや心身の育成を促す「旅育」も注目されています。
続木康伸医師は、旅育が子どもに与える10項目を指摘しています。
・計画性
・主体性
・地理力
・歴史力
・感受性
・興味•関心
・コミュニケーション能力
・異文化交流
・家族の絆
・自学力
最近は、ホテルや温泉宿を利用せず、テントやキャンピングカーに寝泊まりするグランピングも流行っていますね。
家族単位で過ごせ、安価なこと、設定された時間を気にせず自由であること、自然の中で新しい体験ができることなど、多くの利点もあります。
3人でロッジに泊まったことがあります。息子が小学生、娘が大学に入る前の頃だと思います。
この旅行は、決して贅沢なものではありませんでしたが、特に印象に残っています。
ロッジでの 一晩
ロッジに泊まったのは、初めてのことでした。シャワー、トイレ、キッチン、冷蔵庫、二段ベッドが二つある小さな 家です。
用意してきた食料を調理して食べました。 2段ベッドは、子供たちには嬉しく、息子はカラオケのまねをして歌い、娘は、ビデオで撮影しました。
3人でよく笑いました。外に出てみると、夜空にたくさんの星が出ていました。
サイクリング
翌日は、自転車を借りてサイクリングに出かけました。 3人そろってサイクリングに出かけるのも初めてでした。
途中、 野生の小さな動物にも出会いました。息子は、小さな動物に話しかけて、なでていたのをよく覚えています。
石投げ
途中に川があり、水に石を投げてバウンドするのを競争しました。
誰が一番遠くに投げられるか、何回バウンドするか3人で遊びました。
海水浴
海水浴もしました。浮き輪をつけて泳いだり、貝殻を拾ったりしました。その光景は、目の前にはっきりと思い出されます。
自然の中の時間
ロッジで自由に過ごした旅行は、とても貴重な想い出になりました。
ホテルに泊まったり、観光地に行ったりする旅行とは違い 、子どもたちとのふれあいの時間でした。
いつかまた行きたい
もう3人そろって旅行することもありません。
子どもたちが成長してからの親子旅行
子どもたちが成長してからは、国内旅行をアレンジするということは、ほとんどなくなりました。
娘は、学校行事としての旅行に行くことが多くなりました。
息子は、友だちの誘いで、友だち家族のキャンプなどに加わるようになりました。
この頃の時期は、親と行動するよりも、友だちとの活動のほうが、楽しくなるのでしょうね。
海外へは、家族4人一斉に行ったことは数少なく、親子や夫婦の2人旅行、親子3人旅行、個別のひとり旅行と、その時によって、組み合わせも異なりました。
夫と娘、私と娘、私と子どもたち、私と息子、いろいろな組み合わせです。
成長した子どもが親と旅行すること
ヤフー知恵袋で、母親と成人した息子が一緒に旅行するのは、おかしいかという問いがありました。
寄せられた回答には、マザコンではないかという反応があったり、息子の親孝行だという反応、親子で出かけられるのはうらやましいという反応など、様々でした。
皆さんは、どう思いますか。
親の方は、子どもが成長しても、良い思い出を作りたい気持ちに変わりはないのではないでしょうか。
また、子どもと一緒に楽しみたいというのも、変わらないのではないでしょうか。
成人した子どもたちが、そうした親の気持ちを察して、親孝行のつもりで旅行に同意するなら、それはそれで、いいのではないかと思います。
成長した子どもたちが、一緒に旅行することを拒んでいないのなら、ある年齢に達したからといって、親子旅行を避けるのは違うと感じます。
自分たちが楽しめるのなら、それで良いでしょう。
娘とのランチや旅行
娘は、何度か父親との2人旅行に出かけて、楽しい思い出を作ってきました。
私は、娘と普段からよく一緒にランチに出かけます。
2人の温泉旅行も経験しました。1泊だけですが、また機会があれば、娘と一緒に出かけたいと思います。
息子との大阪1泊旅行
息子と一緒に旅行したのは、息子が小学生の時の大阪1泊旅行です。
前日、インフルエンザ注射を受けていたのがアダになりました。
1日目のスケジュールが終わったその夜、息子は、38℃を超える高熱を出してしまったのです。
2日目は、うってかわって、息子は具合が悪いのをがまんして、ツアーを終えました。
初めての息子との母子旅行だったので、残念でした。
娘も息子も、だんだん、親子旅行よりは、自由なひとり旅を好むようになっていくだろうと思っています。
私としては、子どもたちさえ嫌と言わなければ、これからも、成長した子どもたちとの親子旅行をする機会が得られればと思っています。