はじめに
SNSが、私たちの日常に欠かせない今、周りに流されず、自分軸で考え、行動することは大切です 。
ネットは、今や、なくてはならない交流の場ではありますが、人間同士のかかわりに弊害をもたらす危険性もあります。
ここでは、ネット社会における弊害として、誹謗中傷のタ-ゲットとなった3人の声を取り上げ、その問題点を指摘します。。
また、SNSでつながる反面、他人からの評価等でSNS疲れを感じる場合も少なくないことに触れ、問題提起します。
ネット社会における弊害
現代社会において、誹謗中傷、いじめ、ハラスメント、スト-カ-行為などで、人の心を痛めつける人間がいます。
言葉の暴力は、見えないナイフとしてメンタルに刺さります。そして、傷つけられた相手は、深い傷に苦しむかもしれません。
ネットの書き込みは、匿名を使って相手を攻撃する非道な行為です。
誹謗中傷のタ-ゲットになること
ここでは、誹謗中傷のタ-ゲットになって苦痛を経験した3人の声に注目します。
北村匠海さん
小さい頃から子役として俳優の道をスタートした北村匠海さんは、今や売れっ子スターです。俳優業のほか、ロックバンドDISH//(ディッシュ)のボ-カルとしても活躍しています。
そんな北村匠海さんは、長年、誹謗中傷に苦しめられてきたことを明かしました。
『耐え続けても何年経っても攻撃は止むことはありません 。 今一度自分の発する言葉と書き込む言葉の鋭さの違いを考えてみてください。 芸能という世界にいるから仕方がない? そうでしょうか? 確かに僕らは殴りやすい。 でも人間であることに変わりはありません。 どうかこれ以上、意思を持って誰かを傷つける為に言葉を使わないでくださいね お願いです』
笠井信輔さん
『がんが完全寛解したあるとき届いた便箋に、「なぜ、あなたが生きているんですか?」の言葉がしたためられていました。それでも、元フジテレビの笠井信輔さん(60)は情報発信をやめません。大病を患った自分だからこそ「伝えなければいけない役目がある」と、いいます。』
君島十和子さん
『謝ろうが反省しようが、無理して笑おうが、理不尽なこと言ってくる人はいるし、それを避けて生きることは誰にもできないんです。生きるってこと自体、理不尽なことなんですよね。嫌なことがあったり傷ついたときには、この経験で私はバージョンアップできるんだって思うしかないんです。』
ネット社会に生きること
ここまで書いて、「はぁっ!?」と手が止まりました。
あるテレビ番組で、『なぜ誹謗中傷をするか』を調査したところ、『自分の書き込みを誹謗中傷ととらえていない人が大勢いるということがわかった』そうです。
書いたコメントについて、『何が悪いかわからない』という無自覚さも、浮かび上がってきたといいます。
つまり、読み手が精神的に限界まで追い込まれるほど、傷を負っているにもかかわらず、ネット書き込みしている本人達は、悪いことをしているという自覚に乏しいわけです。
たたかれている人たちは、どれほど苦痛な思いをしているか計り知れません。
それにもかかわらず、誹謗中傷しているという自覚のうすいまま、書き込みを続けている存在がたくさんいると言うことです。
ソロ時間は楽
ネット社会では、間接的なつながりの中では、相手がどう思うかより、自分の言いたいことを優先できる。しかし、人と直接接触することは、気を遣って疲れてしまうということがあるかもしれません。
Sirabee編集部が 全国の10代~60代の男女1,000名を対象に実施した調査によると、全体の87.5%の人が「一人で行動したほうが気楽でいい」とこたえたそうです。
https://sirabee.com/2023/10/31/20163182084/https://sirabee.com/2023/10/31/20163182084/
集団意識
以前は、「出る杭は打たれる」と言われたように、まわりとの協調性が求められてきました。
何事も、まわりと同じなら安心という価値観がありました。
レジャー、趣味、飲み会、旅行、サ-クルなど、プライベートでも、グループ活動が盛んでした。
個人重視
だんだん、集団より個人重視へ価値観も変化してきている時代なのかもしれませんね。
その証拠に、様々なソロ活動が人気です。ソロ時間を楽しむ人たちが増えています。
「一人が楽」なのはなぜ?
ここで紹介する記事では、「一人が楽」という心理を5つ挙げています。
https://machicon.jp/koigaku/column/402145/?section=2
- 他人といると、気遣いで疲れる
- 自由でいたい
- 生活リズムを崩されたくない
- 詮索されたくない
- ひとり遊びが得意
SNSによる交流の場
SNSの存在も大きくかかわっているようです。
わざわざ、実際に会わなくとも、SNSでつながる交流の場がある。
ひとりでいても、孤立しているわけではない。仲間もいるし、寂しいわけでもない。
何か好きなことをするときは、自由に気兼ねなく、自分の好きなようにソロ時間を楽しみたいというのが、多くの人の本音なのかもしれません。
鎌田實は、ひとりランチ、ひとり旅、ひとり映画など、重荷になる人間関係を避けて、ひとりでいたい若者が増えていると指摘します。
反面、人との交流は、SNSでつながることを求めます。
しかし、大事なのは、たくさんの人との繋がりを持つことではなくて、「いざという時に力を貸してくれる 存在がいるかどうかだ」と言います。
http://鎌田實「孤独でかわいそうに、なんて大きなお世話 … – 婦人公論 https://fujinkoron.jp/articles/amp/51188
以前、息子がSNSを始めた頃 、「ぼくには、大勢の友達がいるよ」と言っていたことがあります。 実際には、その繋がりの中で、本当に親友と言える友達が何人いたのでしょうか。今は、本人自身が真の友達について自覚しているはずです。
SNS疲れ
確かに、人とのかかわりはあるものの、SNSでの交流に時間を割かれることが多々あって、SNS疲れという他人軸の自分に振り回される状況も起こっています。
「SNS疲れ」とは
「SNS疲れ」というのは、SNSを利用するユーザー同士のコミュニケーションに精神的・身体的気疲れをしてしまうことです。
https://web-camp.io/magazine/archives/93447SNS
株式会社アップデイトotalab(オタラボ)がSNS疲れに関する実態調査によると、10〜60代男女1000人の72%がSNS疲れを感じたことがあると報告しています。
「SNS疲れ」の原因
「SNS疲れ」がなぜ起こるのか、その原因を確かめてみましょう。
- リアクションしなければいけないことが多すぎる
- 自分の悪口を言われていると感じる
- 理由も分からずブロックされたり、フォローを外される
- 苦手な人からの友人申請が断れない
- SNSを見るのを辞められない
- 人の幸せや成功に嫉妬してしまう
- 人の自慢話にイライラする
- 「いいね」がたくさん欲しいと思ってしまう
- 知らない人から攻撃される
- ネガティブな言葉ばかり目が行く
他者からの反応、他者との関係、他者との競争や比較、といった問題です。
SNS疲れと劣等感
ハンドメイド作家は、自分のオリジナル作品を世に送り出し、自立したビジネスにSNSを利用しています。
しかし、SNS上での競争や比較があり、劣等感や不安感を引き起こす原因ともなります。
作品を発表する喜びはあるものの、反面、SNS疲れで劣等感を持つハンドメイド作家も増えているといいます。
SNS疲れから脱却する方法
SNS疲れの悩みを解決するには、どうしたらいいのでしょう。
- SNSから距離を置いて、四六時中、スマホをいじっていることのないよう時間制限
- 情報過多に陥らないよう情報制限
- ソロ時間+SNS交流というパターンを見直して、真の人間関係の構築
少なくとも、SNS交流に振り回されることから抜け出さなくてはいけませんよね。
Jamさん著 おすすめKindle本
『多分そいつ、今ごろパフェ食ってるよ。』
SNSに疲れる原因や、脱却する方法について解説。
多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。Amazon(アマゾン)別のショップのリンクを追加・編集
自分軸の自分を守る術
自由であるソロ時間が楽だと感じ、人とのつながりはSNSでの交流の場を利用するという現代人の傾向について述べてきました。
しかし、SNSでのコミュニケーションは、他人と比較したり、他人を気にしたりと、SNS疲れの原因ともなっています。
どうも自分軸を保ちたいソロ時間と、他人軸に揺れるSNS交流との間で、現代人の悩みが広がっている気がします。
SNSで繋がってるから大丈夫というのではなく、本当に必要なときに頼れる相手がいるということは、心強いですし、孤立を防いで、孤独を楽しむことにつながります。
人間関係にかかわる問題
過去に、私は、いくつか勤務先で人間関係の難しさを経験してきました。でも、それは、直接的なかかわりから生まれたもので、見ず知らずの人からの間接的な中傷は受けたことがありません。
現代のネット社会では、SNSで交流できるから、ひとりでいるほうが楽と考え、直接的なやり取りは苦手。
その反面、他者からどう思われているかという他者目線を気にするSNS疲れも起こっています。
さらには、相手に対する考慮のない書き込みをしても、それが誹謗中傷にあたるという自覚のうすい人も多く存在する傾向にもあるということです。
様々な面で便利で楽な社会に動いている一方で、人間同士のかかわりや相手への思いやりを重視したやり取りが希薄になっているのかもしれません。
ネット社会は、これからもどんどん進んでいくでしょう。その中で、実際に直接的なコミュニケーションを交わす機会が減ってきているのも現実です。
少なくとも、自分の行いが、相手にどう伝わっているのか自覚が必要ですし、直接的で深い人間関係を築くことも重視しなければなりませんね。