はじめに
あなたは、お子さんがいますか。
子どもが生まれることを楽しみに待ち、生まれて来たばかりのときには、感動でいっぱいだったことでしょう。
しかし、時間が経つに連れ、現実に起こる不安と苦悩が待ち受けていることを実感したに違いありません。
夜、眠られないことも出てきます。泣きやまず、どうしたらいいかわからない場合もあります。
子どもといるのが、可愛くて楽しくて幸せいっぱいという気持ちでいられるでしょうか。
母となった自分のことを後悔したことがありますか。
ここでは、「母となったことを後悔する女性たち」と題した講義をもとに考えます。
母となったことを後悔する女性たち
テレビ寺子屋という番組で、恵泉女学園大学の学長・大日向雅美さんが講義を行いました。
大日向さんが紹介したのは、母となったことを後悔する女性たちの声です。
確かに子どもたちは可愛いし、子育てを精一杯頑張っている。
でも、自分自身の人生を子どものために犠牲にしたくない。仕事ももっと頑張りたいのに、子育てがあって思うようにならない。
子どもがいなければ、自分自身のために時間を費やせるのにといった生きづらさです。こうした生きづらさが後悔という言葉になってあらわれる現実だといいます。
子育てと仕事の両立で悩んだ
私自身も、子育てによって、自分自身の人生を奪われる思いがありました。
特に、保育園に預ければ預けたで、病気をもらってくることが多くなる。
仕事をきちんとこなせるはずなのに、急に休みをもらわなければならなくなったり、会議に出られなくなったり。
その頃は、自分の楽しみの時間はさておき、きちんとやるべきことをしたいのに、子どもがいるせいで妨げられることを悔しく思いました。
どれだけ家族のために大変な思いをしていようと、それを言い訳にすることができませんでした。
女性たちの意味する後悔とは
「母となったことを後悔する」という本当の意味は、子どもを産まなければよかったという意味ではないと思います。子どもがいなければ、もっと自由になれるのにということでもないと思います。
子育てによって、自分自身を奪われるという心の葛藤なのではないでしょうか。
生活のすべてが、『○○ちゃんのママ』という存在になってしまうことへの抵抗だと思います。
子どもから離れて、自分自身として生きたいことのあらわれであって、心の底から湧いてくる力でもあります。
大日向さんは、「母として人として社会人として豊かな生き方をするために、この後悔を『社会を変える』バネにしてほしい」と締めくくっています。
人生は後悔を重ねること
「自分の人生を振り返り、違う行動を取ればよかったと思うことは、どれくらいの頻度でありますか」という調査を行った研究があるそうですが、実に82%が後悔を感じているという結果だったということです。
「生きることは、後悔を重ねること」「後悔は人生の本質的要素である」と研究者は述べています。
後悔の連続でもめげずに
人生は、選択の連続、そして後悔の連続。それでもめげずに進んでいかなければなりませんよね。
そこから、学び取る何かがあるはずです。